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カルチャーブック制作3周目。 "理念浸透"に対する違和感と振り子の話

この記事は、『アカツキ人事がハートドリブンに書く Advent Calendar 2019』 の 25日目の記事です。 前回は法田貴之 の、「組織サーベイで「組織の筋力」を鍛える」でした。

こんにちは。アカツキの小能(おのう)と申します。たくみん/おのっぴと呼んでいただいております。Twitterは(@heart_takumin)です。アカツキでは人事内のHEARTFULチームという領域で、「らしさの種まき」をコンセプトに文化醸成や理念浸透、組織活性にまつわる仕事をしています。

アカツキ人事のアドベントカレンダーも、いよいよ最終日になりました。人事のハートドリブンななぐり書き、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

アカツキの社内向けカルチャーブック「アカツキのコトノハver3」が、この12月に発行となりました。Ver3になってようやく少しずつ馴染んできた感覚を覚えております。カルチャーブック制作を通して、いわゆる「理念浸透」や「文化醸成」について、今の私なりの見解や仮説をお届けできればと思います。

※前提、日々試行錯誤の途中。正解らしきものを持っているわけではないです。むしろ誰かに教えてほしいくらい。理念浸透や文化醸成に取り組む人、とりわけカルチャーブックの制作にこれから取り組みたい人について、この記事が、深めていく一つの問いになればいいなと考えています。


1.アカツキにおける社内配布用の紙メディア3つ

2019年12月現在、アカツキには3つの書籍型メディアがあります。

アカツキの社会観・人間観・スタイルをまとめた哲学『アカツキハート』、言葉と物語でアカツキを紡ぐカルチャーブック『アカツキのコトノハ』、社内報『@JUMP(エージャンプ)』の順に更新頻度が高くなっていきます。

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『アカツキハート』(左)
アカツキの人間観・社会観・哲学をまとめた根源的なもの。

「アカツキのコトノハ」(中)
アカツキを言葉と物語で伝える社内配布向けの本。1〜2年に一度のペースで更新。

「社内報 @JUMP(エージャンプ)」(右)
3ヶ月に一度のペースで発行。たくさんの人の考え方や想いを、オフショットも含め、紡いでいく。雑誌感覚でよめる20ページほどのもの。

今回は、『アカツキのコトノハ』を題材に、お話します。

2.カルチャーブック『アカツキのコトノハ』制作のきっかけ

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2014年5月に私が入社した当時、代官山のビルに2フロア50名前後だったアカツキ。「GoogleやFacebookを超えると本気で信じている、クレイジーな会社です」とか言いながら、超ハードに仕事に向き合い、真剣なフィードバックを贈りあい、全力で殴り合うような議論を繰り広げる。その一方で、月曜朝から笑いながら近況を話し、誕生日には、温かいメッセージを送り、じんとしあう。そんな光景がorではなくandで存在していました。他にも力&愛とか、ロジック&クリエイティブとか、あらゆる両面性をもったアカツキを、未来にも紡いでいきたいと思ったのを今でも覚えています。

毎週金曜の週次報告のたびに、「長期的な事業成長も、個人の幸せも同時実現する」「偉大な業をつくるのは”らしさ”である」そんな事を頻繁にCEOのげんちゃん(塩田)が言っていて、中期目標や大切にしたいスタイルについても頻繁に語っていました。経営者が言っているだけでなく、一人ひとりが真剣に考え動いている姿そのものがアカツキらしさだとも感じていました。

企業哲学は「幹」だとしたら、それを帯びながら実際に行動している一人ひとりは「葉」。幹をかたどる言葉や、一人ひとりの葉がおりなす物語からアカツキを伝えていこうと制作したのが、言葉と物語で紡ぐアカツキのカルチャーブック『アカツキのコトノハ』です。

3.カルチャーブック発行の目的やKPI

カルチャーブック単体としてのKPIは明確には置いていません。新メンバーがアカツキを理解するためのオンボーディングツールの一つとして、またリーダーやトレーナーが方針に悩んだ時に立ち返るものとして利用することをメインの目的においています。今のアカツキは、事業も多角化し、文化づくりの主体はもはや各プロジェクトごと。多様な文化がグループ内に存在しつつも、根底はアカツキらしくアップデートを重ねていくためのものとして、一定頻度での発行を続けています。

なお、2020年1月からは、アカツキの人事noteにおいて社内外にオープンな状態で掲載していく予定です。週刊少年誌で1年分の物語がたまったら、新しい単行本が発行される。そのようなイメージで取り組んでいく予定です。

4.カルチャーブック制作3周目で大切にしたこと

今回のver3を制作するにあたり、大切にしたのは下記3点です。

・陰陽同時表現。葛藤や悩みも含めたリアルを、ありのままに表現する

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伝えたいのは、成功譚でもカッコよく見えるエピソードでもありません。アカツキは理想郷でも何でもなく、創業10年目をリアルに生きる株式会社の一つです。事業成長と個人の幸せの同時実現を目指していますが、それは容易いことではなく、多くのメンバーが今日も悩んでいます。どちらか一方を追うより幾分悩めるポイントは多い。悩みや葛藤、これまでの挫折や失望も含め、ギリギリの状況で義利合一を目指すリアルな物語を表現する。ここにこだわりました。

・統一解を語るのではない。編集されていない無垢な生の声

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「あなたにとって、アカツキはどんなカルチャーですか?」「アカツキのよりGREATな未来に言葉を贈るなら?」
このパートにおいては60名ほどの声が寄せられましたが、明らかな誤字脱字以外は、そのまま無編集で掲載しています。ミクロに見ると、それぞれ全く違っていることを言っているように見えますが、マクロに見ると実にアカツキらしい。ひとりひとりの表現を大切にし、言葉をそのまま載せています。

・経営陣だけではなく、みんなで共に創る、偉大への道標

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偉大な文化への準備は絶えず進めてきましたが、まだせいぜい10年程度の会社です。経営者の定義した社訓のようなものや、完成されたものを皆で徹底的に大事にするというよりは、「未完成/発展途上」なものとして、「アカツキらしい言葉」そのものを「共創する」感覚をもてるようにしていきたい。合宿で言葉を追加したり、事前に投票したり、みんなのエピソードをわかちあうなど、前後のプロセスを大切にしています。

5.カルチャーブック制作3周目で馴染んできた?反響上々。

アカツキのコトノハは、これまで社外の方からは絶賛とも言っていいような反響をいただいていたのですが、実は社内からの反応は、私が思い描いていたものよりは幾分薄かったのです。3年ほど、そこに悶々としてきました。

ver2のリリース時よりも、届けられる声や感想は多く、狙いに近いような嬉しい声が多い。入社時のオンボーディングシーンでも、盛り上がりを見せるなどの状況も起きています。文化醸成を推進したい人にとって、社内からこうした反響をいただけるのはとても有り難いなと思っています。

「自分のチームのこれからを考える上で、本当に拠り所になる大切な存在。アカツキを感じられて嬉しい」「この本だけで数時間飲み続けられる」「悩んでるのは自分だけじゃないんだと思えた、勇気になった」「好きです応援してます」「この本はアカツキの全体をより表していて、カルチャーが滲み出してる」

これらの声が、早速寄せられたのは励みになります。本を配布する、読んでもらうにとどまらない、日常にさらに息づくような場や習慣のデザインを追求していきたいと思います。

6.「理念浸透」という言葉に対する違和感

これらの編集方針の背景には、発行の度に少しずつ見直してきた「文化醸成の観」みたいなものが存在します。まず、理念浸透という言葉には、きれいな言葉を使っただけの右向け右のような、妙な窮屈な違和感を感じます。

社として大切にする理念、つまりWEとしてのアカツキらしさを推進するあまり、MEとしてのその人らしさが消失していく、それは本望ではないなあと。作りたい世界は「アカツキ君」の大量生成では、少なくともない。

アカツキのメンバーには、ある程度の聡明さとやりきる力、それぞれの持ち味、気持ちよさなど、一定の共通する部分があります。それを陽の部分とするなら、一方、一人ひとりが持ち合わせている陰の部分もあると思います。

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イライラしがちだったり、打たれ弱かったり、繊細だったり、すぐに落ち込んでしまったり。それを見せずに、表面的にポジティブな言葉で塗りつぶしていくと、愚痴の一つも言えないような「響きが良いようで、窮屈すぎる世界」が出来上がる。

行儀のいいアカツキらしさより、むしろ、個々やチームがもつ全体性を表現したい。

プロジェクト単体で見ると、事業をクローズさせないといけないかもしれない状況を必死に耐え忍んだり、想いを込めてプロダクトを届けても、クレームとして帰ってきたり。迫りくる期限が刻々と近づいて、メンバー同士が思いやれなくなってきたり。求められる期待と、自分が出せる価値とのGAPに苦しんだり。そんなシーンも当然発生します。「もう無理だ、やめてやる」みたいな心の声を何度も聞いているメンバーも、今もいると思います。

それらを表現せず、都合のよいきれいなものだけを、あるいはきれいに昇華できたものだけを表現するとしても、今の時代、見え透いて伝わるでしょう。

また、陰の中にある陽の一点に、本質や圧倒的なクリエイティビティが潜んでいたりもすると考えています。職場で表現しやすい行儀のいい人格だけでなく、本来の自分から生まれるものがリアルだったりする。全体性の表現は今後より重要度があがってくる気がしています。

7.定めたものを厳格に徹底する、というよりは振り子のように揺らしながら、芯を見つめ直す。

日本企業にも多く影響を与えている、世界的な成長企業の多くには、強い企業文化が存在します。ミッション・ビジョン・バリューを明確に掲げ、バリューをベースに建設的なフィードバックを重ねることで、よりパワフルに事業を推進していく。明確なビジョンやバリューの一貫性はトップタレントをひきつけ、さらなる拡大を重ね、国を越えた大きな繁栄を築きあげています。

GoogleやAmazon、Nexflixなどのグローバル企業も10前後の価値観を掲げて、それらを徹底し、本物の価値観として事業上の意思決定にまで反映させ成長を重ねています。

一方、今のアカツキでは、同じく企業文化を大切にしたいとは考えるものの、それらとは少し違うアプローチをとっている気がします。

まず、アカツキらしい言葉の定義だけでも40を越えています。これらをすべて一人ひとりが記憶し、徹底的にフィードバックし合い、文化を形成するという方法は同様には到底機能しないと思います。

アカツキが大切にしていることの一つに「あらゆる二律背反を統合する」というものがあります。そして、「あらゆるものはつながっている」という観をもっています。何かに作用をかけると何かの副作用が起きる。課題解決をしたつもりが、別の課題を生み出してしまう。一見トレードオフになってしまいそうな事柄を高い次元で統合できるアプローチがないか、「orではなく and」の精神で探り続けています。

「自分の感情を丁寧に扱おう!」とメッセージをする一方で「徹底的に考えて、目の前の期待にしっかりと答えて、自分の存在価値や信頼貯金を高めていこう」というメッセージも飛び交っています。広く捉えれば同じ概念のもとに言っているのですが、言葉だけを切り取ると、真反対の事を言っている様に見えるかもしれません。

そしてどちらも大事と言って中途半端に何もしないというよりは、「今はコレだ」と、思い切り振り回すことも特徴かなと思っています。どっちかに傾き始めたら、振り子のように、次は逆の引力を働かせていく。異なる引力が相互に働くことで、常に動いているものの芯は安定している。Think/Doing、Feel/Being、力と愛、プロと青臭さなど、あらゆる両極性を大切にしつつ、片方に触れすぎたら揺り戻すを繰り返すことで、真に大切にしたいことの芯を見つめなおす。そうしたゆらぎを常に持ちながら、自分たちの芯を磨いています。

二律背反の統合、動的平衡、振り子の原理。そうした考え方をもって影響を与え合いながら進化していく、ある種東洋と西洋をミックスしたような組織のあり方でアプローチしていると捉えています。

アカツキの組織の強みは偉大な文化の骨格があることではなく、複雑な環境下で、偉大にむけた改善行動を起こし続けること。よかった事例や失敗のわかちあい、ピンチ時にヘルプが行われるようなつながりが存在していること。

だからこそ、あえて多くの言葉とリアルな物語を通してらしさを表現していくことに重きを置いています。(今は)

文化は一朝一夕にしてならず。素晴らしそうなシステムを入れたらすぐに出来上がるものでもないと認識しています。そこにある風土の上に成り立つもの。一言では形容しにくいのですが、大切にする言葉たちとリアルな物語からにじみ出るものを紡いでいきたい。これからも失敗を重ねながら、より自分たちらしい文化の紡ぎ方へのTRYは重ねていきたいと思います。

8.最後に。働く仲間もプロジェクトをご一緒する仲間も探しています。

まとまりのない駄文になってしまいましたが、お付き合い頂きありがとうございました。

アドベントカレンダーは、クリスマスを楽しみにしながら、日めくり形式でギフトを届けるものなのですが、今回については、何かを届けるということ以上に、記事を書いた私達自身が満たされる形になったように思います。本当にありがとうございました。

これにてアカツキ人事アドベントカレンダー2019、閉幕とさせていただきます。

来年、よりギフトのつまったポストをできますよう、アカツキ人事一同2020年も精進してまいります。本当にありがとうございました。メリークリスマス&ハッピーニューイヤー!良いお年を。


アカツキでは、一緒に働く仲間はこちらから募集しています。ご興味がある方がいらしたらぜひエントリーくださいませ。


###ここからはおまけ。書ききれなかった要素についても、添えさせていただきます。

掲題のとおり、おまけです。何を書こうかリストアップしていったら14000字レベルになってしまいました。いったん本編は6000字まで絞りこみましたが、カルチャーブックを作り上げるまでのこれまでの考え方の変遷や、参考にしてきた考え方たち、今後深めたい仮説についても書きました。せっかくくですので、添えられればと思います。

おまけ1:バージョン1製作時からの私の頭の中の変遷

「これまでは編集の意図として、行儀のよいアカツキらしさに迫っていたのかもしれない」

『アカツキのコトノハver1』を発行するときは、どちらかというと、創業者2名中心に作られてきたアカツキの哲学そのものを浸透させたいと思って発行していました。既存の価値観にとらわれない、本質的で長期的な考え方だと共感し、それをみんなで実行し続けられるようにしたい、と。

なので、物語パートの中でも、「それが息づいている」ことをアピールしたい!という思いが編集者の意図として、見え隠れしている気がしています。「感情報酬とは?」「ゲームの力で世界に幸せを届けるとは?」と、自分にとっての定義を一人ひとりに語ってもらっているものが多いです。

また最後の編集の際に、生々しいところはカットしており、結果としてキレイな言葉が並んでいる。今思うと「経営の考えにあうような、行儀のよい言葉を語ってほしい」そんな感覚が僕自身にあったのではないかなと思います。もはや、カットしてしまっていたその生々しいリアルこそが大事だとver2、ver3と重ねるにつれて思うようになってきています。

ビジョンやミッションそのものを語るのではなく、ここにいる人の生きざまや意思決定や行動そのものにアカツキらしさはある。そしてきれいな部分だけでなく、悩み、失望、嫉妬、怒り、いろんな感情をひっくるめたリアルにこそアカツキらしさが潜んでいると、陰陽同時表現にだんだん編集方針が向かいました。

「編集部だけがつくっているという感覚をできる限り減らしていく」

ver1の制作は、CEOと編集チームだけで、内々に制作を進めていましたが、ver2制作にあたっては「みんなで創るもの」にしていきたいと考えていました。

2017年1月の台場での合宿。「アカツキらしい言葉」を新しく創出しようと取り組んでいた時に、ひとりひとりが、考えを発表したくてマイクを奪い合っていた光景は、未だに脳裏に残っています。

その後も全社向けに、物語と言葉も募集。寄せられた数十の言葉や物語の種をもとに、編集部でノミネート。slackで再投票しCEO合議のもと再決定。そのタイミングで、そこにいるメンバーとともに創っていくサイクルを回しています。

ノミネートされていないものも、みんなの言葉ということで、寄せられた言葉はすべて掲載させていただく運びとなりました。

定義されたものを染み付かせるには限界がある。むしろ自分の中にあったものを出して、創造したものなら愛着持てる。昔いた人が大切にしていたものを学ぶのではない。ここにいる人たちで一緒に創っていく。そういう前提のものにしたい。編集部が介在する以上、完全共作には出来ないかもしれませんが、スタンスはオープンにしながら共創感覚を持てる度合の向上については取り組んでいきたい。だからこそ、なるべく編集せずにそのまま掲載したり、制作フェーズもオープンチャンネルにして、気になる方はフォローいただいたりできる状況にしています。

おまけ2:ver3の企画をするにあたり参考になった書籍や考え方達

僕の中では、社内コミュニケーション領域に関わり始めて、上場してからの2年ほどは漫画『ワンピース』における、シャボンディ諸島で麦わらの一味が解散したシーンと重なります。自分たちの信じるものに対して愚直にやってきたものが通用せず自信もろとも打ち砕かれる。それから大海を知って、新世界に向けてそれぞれの師のもとで修行を重ねる2年間。

企業文化が強いと言われる企業はどのように組み立てているのか、理念浸透というものに長年向き合ってきた企業のよくある失敗と成功要件は何なのか、組織活性の原則は何なのか、歴史に学んだり、日本や世界の事例に学ぶ期間になりました。

ここまで参考にしてきた考え方たちを紹介していきます。

「ビジョナリー・カンパニー2」と「日本の持続的成長企業」


偉大に向けた弾み車を、着実にゆっくりまわす。長期志向でありながら、現実も直視。CEOが交代しようとも100年存続する企業を研究したビジョナリー・カンパニーシリーズ。そこでビジョンやミッションの策定も大事だが、もっともらしい言葉がそこにあることが大事なのではなく、「信じて行動している」ことが大事、と。


ビジョナリー・カンパニーであるための基本的価値観に、「正解」と言えるものはない。ビジョナリー・カンパニーのうち二社をとってみると、対照的とも言えるほど理念が違っているケースもある。決定的な点は、理念の内容ではなく、理念をいかに深く「信じて」いるか、そして、会社の一挙一動に、いかに一貫して理念が実践され、息づき、現れているかだ。

「日本の持続的成長企業」においても、ビジョン策定するだけでなく、「ビジョン共有力」「知の創出力」をもって、「実行・変革力」につながっていることが大事とし、どちらも現実を直視した上での変化の重要性を謳っています。文化は一夜にしてならず。根気強く取り組んでいくことの重要性を感じさせてくれます。

ハッピーカンパニープロジェクト2

アカツキは中学生のように夢を見るけど、whyと教科書を大切にする真面目少年である。

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サイボウズ、ほぼ日、カヤック、リクルートなど、それぞれのらしさを放ちながら成長している企業において、らしさを育んできた人達の元へお邪魔し、アカツキとの共通点と相違点をらしさの輪郭をつかむ旅にでていました。ここでの旅路や議論を経て、自分たちの輪郭がはっきりしてきました。ありがとうございました。

ポジティブ心理学、幸福学、Well-beingにおける見地


アカツキが独自に大切にして、信じてきたことの多くは、ポジティブ心理学や幸福学ですでに検証や実験がなされている事柄も多かったことに驚きました。短期的な快楽だけでなく、長期的で持続的可能な幸せに作用するものは何なのか。MUSTだけではなくWANTとして活動的に行動し、日常に息づくためにどんなことができるのか。今後も実践実証していきたいテーマがたくさん眠る領域です。

ここでの出会いも含め、ユニリーバの島田由香さんや、CRAZYオア明奈さんとも意気投合し、感情をビジネスに活かしていく「エモサミ」なるサミットを開催し、深めあったこともありました。



Dawning-skyプロジェクト
個と企業の関係はすでに変化し始めている。そして仕事を通じて、個の人生を輝かせていくという働き方が存在し得る。
現CHROのエディさんこと法田が、事業部から人事部へ異動になる際に、人事領域リーダー数名と一緒に、数々の組織のあり方を勉強させてもらいました。

Netflixの自由と規律をベースに、徹底的にフィードバックしあい、世界最高峰のパフォーマンスを生み出し続けるドリームチームを作る考え方や

発達指向型組織(DDO)という、成果をだすと同時に成人の発達を促す組織のあり方や、成人の発達段階というものの見方。

もはや言わずもがな感ありますが、ティール組織の考え方。この西洋と東洋の切り口から語る記事が特に参考になりました。

ザッポス社の1冊の本からはじまった「デリバリングハピネス」なる、幸福をベースにした文化づくりの考え方


時代の変わり目は着々ときていて、企業と個の関係も変容を始めています。企業のパフォーマンスを向上させるだけでなく、いい履歴書の実績になるようなキャリアを描けるだけでなく、人生の本当の目的に出会い、自分の人生を味わい深いものにしていけるような働き方は存在し得る、と確信させてもらえるプロジェクトでした。

あらゆる弱点を隠しながら、隠し通すために諸調整をおこなったりする代わりに、弱点や人の弱さを受け入れてオープンにする。そしてそれらを成長支援のための行動に変えていく。


ただひたすら企業の言いなりになって、他人の期待のみをサラリーマン根性で応える「我慢レース」を続けるのではなく、自分なりの幸せな人生のデザインをよりきめ細やかに行いながら、能動的に目の前の期待に答えていく。

アカツキが真に実現したいことのヒントになるような事例は世界中に転がっていて、いつでもアクセスでき、学べる状態になっていました。



U理論、メンタルモデル、Transform tech、NVC

自分は何者なのか。この人生で何をなすのか。自分自身が作り出している内面、OSに深くむきあい、受容変容を促すことで、自分の使命や源に、より自覚的になって創造的に生きていく。このへんはまだまだ理解の途上。少なくともフィードバックをフラットに受け取れないような状況は多く発生していると思います。自分の芯とつながって、何かしらの解放するには自分そのものの深い理解やアップデートが必要になってくる。


Management3.0、Engagement3.0

人が人をマネジメントするのではなく、人やチームが開花していく仕組みをhave toではなくwant toで仕事したくなる環境をデザインする

偉大な文化には、偉大へむかうガイドラインなるものが存在する。アカツキらしさを念頭におきながら、そのガイドラインを自らつくり、ガイドラインを一人ひとりが自らブラッシュアップしていく。その弾み車が回り始めると、文化は進化していく。

人が人をマネジメントする上での考え方も大事だが、同時に人やチームが開花していく仕組みやシステムそのものをデザインするという考え方はより大事になってくる。マネジメント3.0や、エンゲージメント3.0という考え方でも提唱されています。

Management3.0:https://nuworks.jp/ja/management30/

このような学びの機会は、今後のアカツキを考える上で非常に参考になり励みになりました。カルチャーブック制作の考え方にも少なからず影響をもらっています。


###おまけ3:今後さらに向き合っていきたいテーマと仮説

世界のベストプラクティスや他社事例も、そのまま自社に適用できるわけではありません。自社の目指す世界があり、そこにある土壌ならではの風土が存在しています。また事業特性なども踏まえて、本当に自社にフィットするかを吟味していく必要があります。


下記が、自社なりの文化を創造していくにあたり、より深めたいテーマと仮説です。社内外問わず、ディスカッション・ダイアログ相手募集しています、興味ある方ご連絡ください。

理念浸透という言葉に対するそもそもの違和感。理念を浸透させるのではなく、偉大への種を撒きながら、皆でともに土壌を耕すあり方を

そもそも「理念浸透」という言葉に対する違和感が存在します。自分の外からやってきた考え方が、自分の肌の中に浸透していく。そこにそもそも限界があるように思えます。無論、従順なふりをすることや頑張ってすり寄ることで馴染ませることはできると思います。が、それは持続するでしょうか。

「ミッション・ビジョン・バリューを定義しました!」
「これから我が社はこれを徹底的に大切にします、マネージャー各位よろしく」
「認知理解が大事だから、このノベルティグッズつくったよ、みんな大切にしてね」

と、経営層が仕組みとして入れても、文化は簡単には形成されない。「絵に描いた餅」「笛吹けど、踊らず」という言葉がグサっと心に刺さる状況が、十中八九、満を持して待ち構えているはずです。きれいな言葉の右向け右をすれば動き出すような、それが延々と続いてその土地に息づくような、そんな単純なものではない。

「ハートドリブン」「アカツキらしさ」などを語り続けるアプローチは、まずは認知理解の機会としては必要になるのですが、それ以上にはならない。理解から共感、内在化、行動変容して、チームに良い変化をもたらし始めるまでには、別のアプローチが必要になってくる。

社として大切にすることを浸透させるというよりは、個人の中にあるもの、本当は大切にしているものを掘り起こし再認識し、共鳴する。内面を開示しながら、人から人へ脈々と影響を与えあっていく。そのようなプロセスが必要になってくると仮説をもっています。

偉大な花が咲きやすいように、ヒントとなる種を撒きながら、そこに根ざす土壌を耕しあう。共鳴し合える問いと、刺激となる種、わかちあいの場をデザインしていく。そんな文化醸成の方法論をこれからより確立していきたいです。

アカツキ君大量生成問題。WEとしての価値観の押し付けではなく、MEとWEで存在するそれぞれの価値観の同時開花を。

ピュアであることが多い新卒は、企業文化の担い手になるという企業側のメリットもある一方で、言うことを聞きやすいがゆえの副作用もあると思います。「行儀良いアカツキ君みたいな側面を表に出しあうようになり、その人の本来もつ可能性やらしさを消失させていく。それが窮屈や違和感の源になってくる」それは作りたい世界ではない。

社として大切にするWEレベルの価値観を大切にし、徹底的にフィードバックしあうということが事業や組織を前進させるにはとても有効だということはシリコンバレーから世界に影響を与えた各企業が証明してきたことだと思いますが、どこか窮屈さを感じています。

WEレベルの「アカツキらしさ」を育むと同時にMEレベルの価値観「その人らしさ」を大切にし、磨き、その人らしい人生を開花していく。

その人らしさ、チームのらしさを押し殺すのではなく、開花させるものとしてのアカツキらしさのあり方を、より深めていきたいです。

理想を語れば語るほど浮つく問題と、陰陽の同時表現

僕自身も、アカツキを通して実現したい世界の輪郭がおぼろげながら見えてきたからこそ、つい力説してしまうときもあります。確かにいい言葉、よさそうな言葉、世間でも共感を呼ぶ言葉が額縁や本の中にはあるけど、何か目の前の毎日と違う気がする。そんなシチュエーションは拡大期や成熟期の企業では至るところで起きているのではないでしょうか。しかし理想を語れば語るほど、浮ついてく寂しさがありました。だからこそ、陰陽ともに表現し、現実と理想を同時に表現していく、その上で実証実験を多く重ねていくのが大切だと考えます。

資本主義社会でビジネスを推進する中で、生きてく中で、容赦なく起きる現実は変わらず起きると思います。むしろ夢のあるビジョンを掲げれば掲げるほどGAPは大きくなるかもしれません。

一朝一夕には変わらぬ日常の風景に対して、怒りや戸惑いや悩みはあるかもしれないが、本当に大切なのは、偉大に向けた改善が脈々と続くこと。

「成長と同時に、自分という存在がどんどん小さくなっていくのを感じました」「自分の中にあるエンタメへの怒りと世の中へのアンチテーゼだったんです」「正直、どうにかならないかなって苛立つ部分もあります」

「アカツキのコトノハ」でも、このようなリアルな声そのものを陰も陽も、全体性を表現できること、理想と同時に現実を直視し続けることが、結果としてピュアな願いを込めた行動の増加につながっていくと信じています。

各事業の勝ち方や、各職種の成長筋が異なる問題。そして文化創造に関する主体のシフト

「企業文化の強い企業」その多くは、単一事業の成功要素を抑えて、世界中に大きく展開している企業が多いことに、学びを深める途中で気づきました。特に複数事業を展開する企業においては、ここにどう向き合うかは、とても大事です。

企業文化がビジネスに大きな影響を与えるのは、事業戦略上の成功要因と文化の性質がピタっと一致している時。そして組織の持続性に影響を与えるのは人生レベルで大切にすることや、本質的に幸せに感じるポイントと、文化の性質がピタッと一致している時。

アカツキのように、エンタメを軸にしていると言えど「モバイルゲーム」「アウトドアレジャー」「パーティプロデュース」「リアル施設でのエンタメ」「スポーツ」「映画」など幅広く存在すると、事業成功のために押すべきポイントは変わってきますし、ハイパフォーマーのもっている資質も変わってきます。もはや、企業ではなく、各プロジェクトチームが、文化を創造する主体になります。

「アカツキらしさ」は、「勝ち方」ではなく「あり方」を扱うものであり、そこにいるチームや職能組織が、それぞれらしい文化を掲げるための栄養剤のようなものかなと思います。
よかったものは全体に共有され、偉大へのヒントとなるアカツキらしさ(抽象化されたもの)へと還元していく。そんなあり方をイメージして深ぼっていきたいです。

ビジネスとハピネスの深い両立を実現する。

ザッポスの企業文化づくりの経験を活かし、幸福をベースにしたカルチャーづくりを支援するDeliverling Happiness社が、新しく日本展開を始めるとのことで、有り難いことに日本の初期メンバーとしてお声がけいただき、マスタートレーナー/コーチサルタントとしての認定プログラムにチャレンジすることになりました。2019年10月11月に1ヶ月半200時間の過程、非常に実り多い時間となりました。心理学や脳科学の見地からも幸福の解像度をあげることができ、ビジネスとハピネスが共存し、ともに繁栄する企業文化のあり方の1つを体感させていただきました。


視界はアカツキと非常に似ている。しかしながら、人の心理の研究や、その良さを体感できるプログラム、それが習慣として長く息づく仕掛けなど、すでに磨かれ、体系立てられていることに感嘆。
ティール組織でいうところのGREENでの世界観をもって組織を持続的に運営していくためのエッセンスがつまっていました。(次なるアジェンダも開発中でした)

特に、一人ひとりの中に金塊は眠っている、それを集団的に引き出す役割を果たすコーチサルティングという考え方は、私にとって一つの財産になりそうだし、周りにフィットする気がしている。より磨いていきたい。

大切にしたい言葉を物語燻し定着させていく方向性でトライ

アカツキとして大切にする言葉たちは存在します。それらは正しそうなものとして額縁に飾られている時ではなく、日常の意思決定や行動に落ちた時にその真価を発揮します。

同じビジョンのもととはいえ、業種も違う多様なプロジェクトが存在し、あらゆる職種が存在する中で、一括ですべてを大切にするのが、ビジネスにも人生にも効く良薬になるとは限らない。

文化は、言葉を定義して、機械的な仕掛けを施したただけでは一朝一夕にはできず、その土地に根差した風土の中で、リアルな中に溶け込んだときに、初めて息吹きはじめるものだと思っています。

言葉としての浸透活動だけを続けても、本当に浸透することはない、ということが、ようやくしっくり来始めています。共感、内在化、意思決定や行動への影響にむけては、むしろ物語や共創の力が大きく生きてくる。

偉大につながる道標としての実感ある言葉を、みんなで磨いていく。大切にする言葉をみたら、そこにいる人々の温もりや残り香が感じられるくらいになるまで、言葉を物語で燻していく。このさきに、本当に浸透する理念や、深く醸成される文化のあり方がある気がしてなりません。

それらを参考にした上で、チームごとにシャープな文化を形成していく。一つ一つは異なる色だが、ひっくるめてみると、どこかアカツキらしさがにじみ出てる。どこかに振り切る中で、胸を張れないような違和感モヤモヤを感じるシーンが出るなら、すぐさま本質に立ち返りアップデートする。そのような文化のあり方を追求していきたい。

以上、まとまりのない駄文失礼しました。

様々な意見交換するたびに、少しずつ観が変化していますが、今のアカツキにおいて、文化づくりや理念浸透における考え方は上記などから構成されています。まだまだ人事歴も5年に満たない若輩者ですが、自分なりに深めて確立して行きたく日々試行錯誤しています。

これまでは理論や考え方、他社事例をもとに深めてきましたが、2020年は実践をもとに、実証できる形で磨いていきたいです。

行動にうつして、行動にうつして、時にはすべりたおしつつも、意図だけはしっかりともって、また現状を直視し、その土地土地の声を丁寧に聞きながら。存分に失敗を重ね磨いていきたいと思っています。

興味関心の強い方、ぜひ意見交換の機会をいただけますと幸いです。Twitter:@heart_takumin 

改めてとなりますが、お付き合いありがとうございました。良いお年を。

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株式会社アカツキの人事広報チーム(通称:RPG=Relationship Produce Guild)が運営するnote. 人事のことや、文化醸成のこと。アカツキで働くひとのこと。 アカツキで働くひとたちからハードドリブンに、思いのままに、お話を紹介していきます。