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【A STORY】病室のベッドで芽生えた、クリエイターとしての魂。 シナリオライターの明るい未来を願い活動する、ROOTS発起人の物語。

2018年、アカツキで発足したプロジェクト横断型シナリオチームROOTS(ルーツ)。発起人の水野崇志は、「シナリオライターにとっていい環境をつくるために、『縁の下の力持ち』として支える存在でありたい」と語る。その背景にあったのは、フリーランスで長くシナリオライターとして活躍してきた、彼なりの「クリエイターへのリスペクト」、そして「作り手にとっての幸せ」だった。シナリオという職種の未来を背負い生きる男の姿に密着する。


横串シナリオチーム「ROOTS」ができるまで

アカツキに中途入社して2年になります。後にお話ししますが、元々はフリーランスで、前職もゲーム業界にいました。アカツキで初めて正社員になりましたが、想像以上にコミュニケーションを丁寧にとる会社で驚きました。1on1の機会を通じて、定期的に互いのことを話せる環境はとても貴重だと思います。
これまで経験した職場では、主にクリエイティブのやりとりしかしませんでした。フリーランスだったこともあり、弱音や悩みを話す機会はほぼなかったです。なので、こんな風に話せる環境があるというだけで非常にありがたいです。
入社してもう1つ驚いたのは、とてもロジカルで頭の回転が早い方が多いこと。一方でマネジメントにあまり興味がない方もいたり、それぞれの尖り具合が面白くて、思った以上に発展途上の部分があると感じました。発展途上だからこそ、会社全体から「頑張っていこう」という熱量も感じます。
シナリオの部分でも、もっと成長できる余地があると考えていたとき、違うプロジェクトのシナリオ担当の方に「他社では、横串のシナリオチームがある」という話をしたら、とても興味を持ってもらえたんです。そこで、各プロジェクトのシナリオチームのリーダーを集めて、雑談する時間を週に1回開催してみました。
ただ雑談するだけですが、その過程で相談が生まれ、ノウハウの共有が自然と行われていきました。3カ月ほど実施してから、横串の組織の提案をしたところ、参加メンバーが馴染んできたこともあって、「ぜひやりましょう」と。そして、プロジェクト横断型シナリオチームROOTSを2018年1月に立ち上げることができたんです。

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アカツキだからこそ目指すクリエイティブとマネジメントの両立

ROOTSが目指すことの1つは、「ライターにとっていい環境をつくる」ことです。僕自身がシナリオライターとして歩んできた中で、理不尽な理由から筆を折ることになった才能をたくさん見てきました。 ROOTS内でも「そういった人を出したくない」という声があがり、達成すべき目標の1つとして取り組んでいます。また、ROOTSでは、クリエイティブとクリエイターたちのマネジメントの両立を目指しています。「マネジメントで支えられてこそ、継続的にクリエイティブな成果を生み出すことができる」と、日々の中で実感していますし、アカツキだからこそ達成すべき目標だと考えています。今、社内にはパートナーとして関わってくださっているシナリオ担当者の方も多いです。とても頼りになる方ばかりで、その方たちの頑張りによって、各プロジェクトが支えられています。だからこそ、正社員の僕らがパートナーの皆さんへクリエイティブに集中できる環境を用意できないと、本当に申し訳ない気持ちになります。結果として、この1年間はマネジメントに徹することになりましたが、やりがいを感じています。

シナリオライターは「魂で創造」している人々。リスペクトは計り知れない
シナリオを書くときに大切にしているのは、「伝えたいものが何かを明確にすること」です。
物語は、たった1つのセリフ(場面)のために生まれてくると考えているので、それが何か見極めるようにしています。このセリフを言わせるためだけに、すべての要素があるんだ、と。
もう1つは、「誰に届けたいかを明確にすること」です。不特定多数ではなく、たった1人のために書いた時こそ唯一無二の作品ができる。「この人に書きたい」「この人に、この想いを届けたい」という明確な意思を持つことが、大切な心掛けだと考えています。
そんなシナリオライターという役割の重要さは、他に代わり難いものだと思っていますが、業界での境遇について、あまり良くない話を聞くことが多いです。
職業価値が、なかなか認知されにくいんです。成果を定量的に判断しにくいですし「誰でも書ける」と考えている方が、業界でも本当に多くいます。
そういう方が、ライターへのディレクションで「感想」だけを伝えることがありますが、とても危ないことです。例えば「つまらない」のひと言で片付けてしまうと、何をどう直せばいいか分からないですし、そんなやり取りを繰り返すとライターの心は折れてしまいます。正しい手順と知識を持って「批評」をしてこそ、いいシナリオは出来上がるんです。
僕自身もシナリオライターですから、マネジメントの際にその経験を活かすことは多いです。執筆された作品やその方へまずリスペクトをちゃんと伝えないと、クリエイターの方に失礼だと考えています。一緒に働いていると当たり前で忘れてしまう時もあるかもしれませんが、感謝の想いはいつでもちゃんと伝えたいですよね。


入院生活で物語やゲームをつくる楽しさを教えてくれた、ゲームブック

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原点に遡ると、僕は小学生のとき、網膜剥離(もうまくはくり)を患っていました。入退院を繰り返していたのですが、目の病気なのでテレビも見れないし、マンガも読めないんです。
そんな状況を見かねた両親が、ゲームブックを用意してくれたんです。「薬草を使うなら3ページへ」「右の道に進むなら6ページへ」とか、母に読んでもらうことで入院生活も楽しく過ごせました。このときの経験が、物語やゲームの楽しさを、僕の中に芽生えさせたのだと思います。
一方で、父が美術の教師だった影響か、何冊ものスケッチブックに絵を描き続けていました。描く絵にストーリーもつけていて、「この人はこういう性格で……」という設定を山ほど考えたことを今も覚えています。
その後、油絵専攻で地元の短大に進みます。卒業後は1年間、アニメーション作りを学び、演出や動画のつくり方、撮影方法など基本的なスキルを身につけました。「あとは物語を書ければ、自分1人でも作品を作れる」そう考え、フリーランスとして、ゲーム業界に飛び込みました。
当時流行っている作品は徹底的に調べていました。そこで、幅広いジャンルを手掛けていたゲーム会社を見つけ、AD(アシスタントディレクター)として採用してもらいました。担当はコンシューマーゲームで、少人数の開発チームだったため本当に沢山のことを学ばせていただきました。

1度きりの婚活で変わった人生と、アカツキとの出会い

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その職場には7年ほどお世話になったのですが、自分が心を砕いてつくり上げた作品が世に出ない、フリーランスの経歴としても無になるという絶望を2回経験し、それをきっかけに、転職を決意しました。
この出来事から入社したのが前職なんです。そこではメインシナリオライターとして最前線で書かせてもらったのですが、摩耗しなければ続けられない環境でした。やりたいことはできているが、「人として幸せか?」と問われたら、返答に困る状況でした。
その頃、「人としての幸せ」を考えて1回だけ婚活イベントに参加してみようと思ったんです。そこで奥さんと出会ったことが、プライベートも大事にするスタンスに切り替えるタイミングでした。
プライベートとビジネスを両立できる会社に転職しようと考えたとき、アカツキと出会い、今に至ります。


全社のあらゆるシーンにシナリオで貢献し、「シナリオの力」を知ってもらう


現在、ROOTSで行なっている取り組みの1つに、クリエイティブ面での活動があります。
例えばROOTSの女性メンバーが中心となり、「カラフル・ラブ」という役員陣をキャラクター化した連載企画を社内報で行なってきました。シナリオを通して役員陣の新たな一面を知ってもらい、距離感を少しでも近く感じてもらえればと考えてやってきました。
同時に、会社に対して何かしら貢献する形で「シナリオに興味を持ってもらう」ための「啓もう活動」も兼ねています。
これからも活躍できる場所があれば、すすっと入って、「何かある?」と積極的に活動範囲を広げたいですね。社内に「世界観やキャラクター、シナリオ作りの専門職」がいることを知ってもらうため、どんどん顔を出すようにしています。

いつかは、病室のベッドで世界を救う体験と笑顔をつくりたい。

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いつか、僕は「ホスピタルゲーム」と呼ばれるジャンルをつくりたいと思っています。やっぱり僕の原点は、病院にあるんですよ。病室のベッドで世界を救えるような物語体験をつくりたいんですよね。
数年前に骨髄移植のドナーとなったとき、手術のため小児科に数日だけ入院したことがあるんです。おっさんが子どもたちと一緒の病室で過ごすという、すごくシュールな状況でした。ただそのとき、子どもたちがゲームをすごく楽しそうに遊んでいたんですよね。誰でも楽しめて、笑顔にできるゲームってすごいなと、その時に改めて思ったんです。
例えば、「廊下に物語が描かれていて移動が楽しい」「検査をがんばったから経験値が増えた」「この診察室へ行けば新しいアイテムがもらえる」とか。おじいちゃん・おばあちゃんもリハビリの中で物語やレベルアップを体験できたら、楽しいじゃないですか。そういうことが、いつかできたらいいなと思っています。

【カラフル・ラブ キャプション】
社内報連載コンテンツ「カラフル・ラブ」
アカツキに実在する役員やメンバーをモチーフにして、新入社員の女性視点から展開していくユニークな物語。

【編集部あとがき】
一見クールな表情とは裏腹に、バイタリティとハートあふれる水野さん。プロダクトにとどまらず、横串組織を立ち上げたり、全社行事のクオリティアップに奔走したり。その裏側には、自身のみならず周りの幸せを願う、芯に強く根ざした内なる想いがありました。ROOTSの願いが、世界に届きますように。

【水野崇志プロフィール】
 Takashi Mizuno シナリオチームROOTSリーダー
複数のコンシューマーゲーム、ソーシャルゲームでの開発経験を経て、2017年、アカツキへ。入社早々に各プロジェクトのシナリオ担当者たちと共に「『至高のドラマ体験』を届けるチーム」ROOTSを立ち上げ、アカツキのゲーム制作のシナリオ強化を全面的に担っている。

スキをありがとうございます!アカツキ
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株式会社アカツキの人事・広報部門で文化発信しているチーム、“Heartful”が、アカツキでアカツキ働く人、組織の取り組み、文化醸成などをご紹介します。ハートドリブンに生きて・働くことを考えるきっかけに。

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